川手 華 × 岡野 香織

  12:00〜20:00

  最終日 17:00まで

 

 

川手華と岡野香織の油彩作品

川手は、記憶に残るイメージの断片を写真をてがかりにして再び見えるようにする。

とりたてて見栄えしない風景だったり花だったり、にじんだかかすれたかしたか

のように描かれていて、ともすれば背景(そもそもあるとすればの話)に埋もれそう。

どれもがもやがかかっているみたいに見えて、もっとよく見ようと近づくと、

ただのキャンバスの表面しか見えなくなってしまう。

岡野は、画面一面奇妙な形を繰り返し描いていて一見抽象画のようだが、モデルは

野菜やくだものの形・表面、最近はしまうまなどの動物の模様で、タイトルにも

ずばりそう書いてある。

輪郭がぼんやりしていて、絵の具が微妙に色をずらして幾重にも重ねられているので、

模様がちょっと動いて見えることがある。

2人とも忘れっぽく、本当にそれはあったんだろうか、と問いながら描き続ける。

時として作品は答えとなるが、また時としてはますます分からなくなることもある。

形が、色が、そこに見えているのに焦点が合わない、うっすらとしたいらだたしさが

かき立てられる。まるで「湿気が耳にまで」届くかのように。

◎ オープニング風景 ◎
 
 ◎ 展示風景 ◎