Tesshuというアーティストは熱いハートとどこか冷めた視点を持つ男である。
客観的に世界を見つめながらも、どこか暴力と愛が同居する危うさを持っている。
河田潤一は生き生きと街や人を描く。リズミカルな線と豊かな色彩は大いなる遊び心を表現すると同時にやさしく、憂いを含んだ視線を感じさせる。
この相反する個性の持ち主はアートの未来に対する諦めと希望をバランスよく兼ね備えている。
同世代や年下のアーティストから見れば、彼らは恵まれていると言えるかもしれない。
FM802のビジュアル、人気ミュージシャンのCDイラストなどを手懸けているのだから無理もない。
そんな彼らでさえも夢と現実のギャップに常に悩み、苦しんできたであろう。
東京ならともかく、地方都市・大阪に本拠を構えて制作を続けることは作家としてドンキホーテのような無謀さであると言える。
今回の展覧会は、2人の衝動であり、葛藤であり、反骨であり、精神である。
これまで自分を省みるきっかけであり、新たなスタート地点でもある。
これからの彼らの作家活動を温かく厳しく見守ってほしい。
どうか2人の覚悟の様をじっくりと御高覧あれ!
プローデューサー 三村 康仁